人は何のために働くのか?
働く目的や理由
「お父さん、人は何のために働くの?」
こんな質問を子供からされた経験はありませんか?
その時、あなたはどう回答しましたか?
「家族を養っていくため」
「生きていくるため」
「マイホームを買うため」(ローン返済のためとは言わないだろう)
「お前におもちゃを買うため」・・・・
○○するため。働く目的が経済的な理由。
ただし、働くことが義務感のようにも聞こえます。
「亭主元気で留守が良い」
「24時間働けますか?」
その昔、働くお父さんを比喩した、様々なコマーシャルが流行りましたね。
これが高度経済成長期、つまり、昭和の価値観ではないでしょうか。
では、今年の新入社員はなんて答えるでしょうか?
公益財団法人 日本生産性本部の「職業のあり方研究会」と一般社団法人日本経済青年協議会が2017年6月26日に発表した、平成29年度新入社員1,882人を対象にした「働くことの意識」調査結果を見てみましょう。
働く目的は、「楽しい生活をしたい」が過去最高を更新し、42.6%に
「自分の能力をためす」「社会に役立つ」は減少傾向
「楽しい」生活をしたい。経済的に豊かになりたい。でも自分の能力を試したり、社会に役立つといったチャレンジングなことはちょっと・・・。
といった印象ですね。
昭和の価値観との違いは、働く事は「義務感」といった何かを犠牲にするのではなく、「楽しむ」「ワクワクする」といった日常生活の一部のようにも感じます。
貯蓄の目的や理由
昭和の時代のコマーシャル「いつかはクラウン」「いつかはマイホーム」「婚約指輪は給料の3ヶ月分」からは、「今は我慢して働いてせっせと貯金。それは将来の大きな夢の買い物のため」といった消費者の心理が伺えます。
一方で、若い社会人も同様に貯蓄志向は強いようですが、将来の大きな買い物のためというよりも、節約志向と将来の社会不安のための貯蓄行動なのかもしれません。
我が家の社会人2年目の息子が、「お父さん○○円貯金たまったよ」って言うので、
「お金貯めて何に使うの?」と尋ねると、
「飲み会とかあんまり行かないし、普段あんまり使わないから貯まるんだ。年金問題とかあるから、今のうちから貯めておいた方がいいもんね」
明らかに昭和の時代と平成の時代の社会人の、貯蓄の目的や価値観が異なるのがわかります。
ただ、奨学金を利用し大学に通った学生は、返済義務を背負っていることから、働くことに義務感を感じている人も多いかもしれませんね。
私はサラリーマンだから・・・
会社が理不尽で納得出来ない意思決定をした時に、上長に食ってかかった時、
「お前の言ってることは正論だし理解できる。でも、会社が決めたことだし、俺もサラリーマンだから、従うしか無いんだよ。わかってくれるか?」
社会人として会社組織で働いていると、必ずといって言いほど、こういったシーンに遭遇しているはずです。
そして、「私は何のためにこの会社で働いているんだろう?」と自問自答のボックスの中で、逃げ出そうか、我慢しようか、自分のせい?上長のせい?会社のせい?・・・などと頭の中は無限ループに陥ってしまいます。
次に浮かぶのは「私もやりたいことって何なんだろう?」
昔は「プロ野球選手」や「宇宙飛行士」、今は「ユーチューバー」?
私自身も今までにこのループに陥ったことが何度もあります。
幼少時から持っている価値観は基本的には変わらないものです。教育もそうですが、社会に出ていろんな人の価値観の影響を受けて、本来のなりたい自分を押さえ込んでいるケースが多いのが実態なんですね。
「何のために働く」は永遠のテーマ
「何のための働く」は私自身、過去に何度も無限ループに陥ったのことがあるにも関わらず、未だ明確な答えを見出すことができないテーマなんです。
次官・若手プロジェクト 「不安な個人、立ちすくむ国家 ~モデル無き時代をどう前向きに生き抜くか~」の中でも表現されていましたが、
「サラリーマンと専業主婦で定年後は年金暮らし」という「昭和の人生すごろく」のコンプリート率は、既に大幅に下がっている。
これを見ると、今後は私のように「何のために働く」という思考の無限ループに陥り悩む人がきっと増えることでしょう。これが「働き方の未来研究所」を立ち上げる事になったきかっけなんです。
これから「働く方の未来」をテーマに活動を行っていきますので、みなさんも一緒に「何のために働く」というテーマについてディスカッションをし、働き方の未来を考え発明していきましょう!