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しあわせって何だろう?

しあわせ って何だろう? 以前、ワールドカフェで話し合ったことがある。

とてもよく知っている言葉なんだけど、改まって聴かれると、 なんとも上手く答えられない。

嬉しい、ともちょっと違う。 楽しい、ともちょっと違う。 気持ちよい、ともちょっと違う。 ありがたい、ともちょっと違う。

誰かが言ってた。 なにげない日常のちょっとした隙間から見え隠れするもの。 洗いざらしの真っ白なシャツの隙間から。 木漏れ日に揺れている庭の安楽椅子に。 うすく煎れたコーヒの湯気の中に。 今日はもう外出しないぞ、と決めて聴く、雨の音楽に。 ふっとしたとき、そんなものに無性に幸せを感じることがある。

また、ほかの誰かが言ってた。 振り返って、感じるもの。 あの時、しあわせだったんだって。 プール帰りのアイスキャンディーに。 古き校庭でのキャンプファイヤーに。 いまはもうどこかも忘れたあの満天の星に。 湯上りの銭湯でのフルーツ牛乳に。 今はもう失った過去のひと時に、 なんだかやるせない、幸せを感じることがある。

ニーチェは言った。 全人生に、一回か、二回か、せいぜい三回程度起こる、 その至高の瞬間を感じた人生は、 100万回くり返す価値があると。 ニーチェが嵐の丘で体験した、葉脈に大宇宙を見つけたその瞬間。 そのような瞬間が、唯一無二の究極のしあわせなのか。 禅でいうところの大悟のような。 ぼくにも来るかもしれない、 心を突き抜けるような、究極のしあわせとの邂逅(かいこう)を想う。 そんなまだ見ぬ精神の散歩に、幸せを感じることがある。

何なんだろう、しあわせって? しあわせになるって、どういうことだろう? もしかしたら、 しあわせに成る、というのは、 しあわせに気付く、というのと、 同義語なのかもしれない。

すぐ隣にあるのに、なかなか気づかないもの。 その気になって見ようとすると、 その瞬間に、まるで光速の100倍のスピードで逃げられて、残像だけが残る。 そんなものではないだろうか、しあわせって。

しあわせのブルーバードって、 いつもすぐ隣にいるって、相場は決まっているのに。

これが、いままでの私のしあわせ観でした。 実は、結構気に入っていたんだけれども…笑。

ところが、目から鱗。 タル・ベン・シャハーという人が、 しあわせを、もっとわかりやくきちんと定義してくれました。 この人は、「ポジティブ心理学(肯定心理学)」の第一人者と言われている人で、 ハーバードでのこの人の講義にはもっとも多くの学生たちは参加するらしい。

この人のしあわせ論には、2つの基軸がある。 ① しあわせとは人生の究極の目的である。 ② しあわせとは『喜び』と『意義』が同時に達成されたもの。

しあわせとは人生の究極の目的である

目的と手段は連鎖する。 例えば、ある少年が甲子園出場を目的をして、毎日欠かさず素振りを1000回続ける。 素振りが手段で、甲子園出場が目的ですね。

でも、何故甲子園に行くのかというと、プロ野球のスカウトの目に止まるためです。 この場合は、甲子園が手段で、プロ野球選手になるのが目的ですね。

では、何故プロ野球の選手になりたかったかというと、活躍して子供たちに夢を与えたかったんです。この場合は、プロ野球選手が手段で、子供たちの夢が目的ですね。

このように、低次の目的は、高次の手段になる。 そして、何故子供たちに夢を与えたかったかというと、世界を今より少ししあわせにしたかったんですね。そして自分もしあわせを感じる。 シャハー博士は、目的と手段の連鎖の最終到達地点は、『しあわせ』だとしています。 人生の活動の究極の目的は、『しあわせ』に到達することという前提で、どうやればしあわせに到達しうるのかを、ポジティブ心理学として説いています。

しあわせとは『喜び』と『意義』が同時に達成されたもの

さて、それでは『しあわせ』とは何かですが、 しあわせは、現在(いま)のしあわせと、 未来のしあわせを、同時に成立させるものと、定義しています。 現在のしあわせとは、『いま』に『喜び』を感じているということです。 未来のしあわせとは、『いま』に『意義』を感じていることです。

『意義』ある『いま』が未来のしあわせを創造します。 つまり、『しあわせ』とは、『喜び』と『意義』を同時に達成することです。

この関係をわかりやすく説明するためにシャハー博士は、 4種類の「しあわせモデル」で説明しています。

『喜び』と『意義』のマトリックス(4象限)です。 『喜び』は『現在のしあわせ』、『意義』は『未来のしあわせ』、と置き換えます。

1.出世競争型(喜びは無いが、意義は有る) 未来の出世(しあわせ)のため、現在の喜びを犠牲にするタイプ。 目的地に到達すれば、しあわせになると錯覚している。しかし到達したしあわせは、一瞬で終わり、再び次の目標を追いかけ始める。しあわせを求めて、延々と次の目標を追いかけ続け、今を我慢し続ける。

2.快楽型(喜びは有るが、意義は無い) 刹那的に、現在の喜び(快楽)だけを追い続ける。酒やギャンブルなど、未来の不幸につながるリスクが高いことも次々に行うことを厭わないタイプ。

3.悲観型(喜びは無く、意義も無い) 過去のトラウマに縛られて、現在においても、未来においても、そもそもしあわせになることをは不可能だと思い込んでいるタイプ。

4.至福型(喜びも有り、意義もある) 未来のしあわせのための現在の行動自体に喜びを感じている。 あるいは、現在の喜びの連鎖として、未来のしあわせを引き寄せている。 「どうやったら、現在も未来も幸せでいられるのだろう」と自問し、 多少は、未来のしあわせのために、現在の喜びをセーブすることがあっても、 上手にタイムマネジメントし、喜びと意義を両立する活動を工夫するタイプ。

この4つのタイプのうち目指すべきは勿論、至福型です。 シャハー博士は、至福型を追求するためには、仕事が重要だとして、 MPSプロセスによって、天職を見つけることを推奨している。

・M=Meaning (意義):自分は特に、どんなことに意義を感じるのだろうか? ・P=Pleasure (喜び):自分は特に、どんなことに喜びを感じるのだろう? ・S=Strengths (強み):自分は何が得意なのだろう?

MPSを考察し、3つが重なる部分に、天職を見出すということです。 そして天職のなかでは、喜びと意義の同時成立が起こりやすくなる。 つまり、しあわせは、労働とともにある。ということでしょうか。

『しあわせの創造』、 それは未来の働き方の研究のとても重要なテーマですね。

シャハー博士の心に響く言葉たち

目標を達成することより、目標を持つことが大事。 目標は手段であり、終着点ではない。

「行わなくてはならないこと」は一般に意義を欠き、喜びをもたらさない。 一方、「行いたいこと」は、ほぼ常に。意義と喜びの両方をもたらす。

勇気とは、恐れないことではなく、怖いけれども前に進むこと

ともに生きていけるものについてよりも、 それなしでは生きていけないものについて、よく考えるべき

時間の使い方こそが、ほかの何よりも重要な幸せの鍵かもしれない

単純にするということは、自分の時間をもっと大切に使うということ、本当に行いたい活動に対して、もっと頻繁に「ノー」といえるようになること、本当に行いたいと思っている活動を優先して選択し、他の活動は控えるようにすること、に他ならない

時間的豊かさは、常に幸せと直結。物質的な豊かさはそうではない

【幸せの6つの秘訣】

 ① 自分の感情を受け入れる  ② 幸せは、喜びと意義が交差するとところにある  ③ 幸せは、社会的地位や預金残高ではなく、

心の状態に依存していることを忘れない  ④ 生活を単純にする  ⑤ 心と体の密接な結びつきを忘れない  ⑥ 可能なかぎり頻繁に感謝を表現する

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